2010年11月18日

科学技術白書を読んでみよう

 いよいよ、本番が明後日に迫ってきました。
 今回は、当日の内容に関係のあるお話です。

 今回、今から 20 年後のありそうな科学技術の未来と、そのために必要なことを考える上で、文部科学省の科学技術白書をヒントにしています。

ざっと見て、今から 20 年前と云うと、日本で万博ブームの末期だった頃ですね(思えば、筑波科学博 EXPO '85 は、早いもので今から約 25 年前。'90 年の大阪・花と緑の博覧会も 20 年前でした)。
 往時の科学技術白書を、以下で見ることが出来ます(1988〜1993 年)。

・昭和 63 年版はこちら
・平成元年版はこちら
・平成2年版はこちら
・平成3年版はこちら
・平成4年版はこちら
・ついでに、平成5年版はこちら

 詳しくは、当日に共同主催者の1人(この人)からお話ししますが、ざっと見てみると、今なお云われ続けている題材が当時から多く言及されていることが判ります。
 昭和 63 年の段階で、国際連携の重要性、様々な分野の振興(宇宙・航空、海洋、原子力、生命科学、材料、情報・電子、ソフト系科学技術など)、科学技術振興基盤の強化等に、すでに言及があります。
 折しもバブル経済の絶頂期からその崩壊までの時期と重なり、その中で「豊かさとは何か?」という反省的な議論も少しずつ出始めた時期でした。そんな中、研究者業界を取り巻く厳しい状況が平成元年から云われ始めていました。そうした基盤的な問題意識も、当時からあったのです。大学院重点化がおこなわれ始めたのも、ほぼこの時期でした。

 科学技術の研究開発に関する国際的な連携も、この時期から云われ始めました。平成2年版の白書では、世界各国の科学技術政策の動向が比較されています。その一方で、日本でも科学技術政策大綱の見直しが平成4年に閣議決定されました。科学技術会議自体の設置は昭和 34 年(1969 年)ですが、科学技術基本計画が制定された平成7年の前後から、日本の科学技術予算は実は飛躍的に増え続けています。

 国際的な連携という側面からは、平成3年版に言及のある、いわゆる地球環境問題への取り組みや巨大科学研究(宇宙ステーションや核融合など)も見逃せません。最近になって、日本人の宇宙飛行士が宇宙ステーションに長期滞在するようになりましたが、その取り組み自体は政策レベルでも平成初期から行われていたわけです。

 基盤レベルの問題に関する言及は、毎年のように行われています。平成2年版には研究費や研究人材、技術貿易や論文発表数の国際比較が行われ、平成3年版には科学技術活動のグローバル化(国境を越えた連携)と共に、国内の研究体制に関して言及があります。平成4年版には、逆に国内の地域間連携や都道府県レベルでの科学技術振興体制の重要性が謳われる中で、国内の研究体制の実情が分析されています。平成5年になると、若者の科学離れに対する危機感と共に、日本の科学技術の動向が分析されています。

 これ以外にも論じうる論点はいくつもありますが、続きは本年 11/20(いよいよ明後日です!)のワークショップ当日に色々お話できればと思います。
 当日お話ししきれない内容に関しては、また続きを別の機会に出来ればと思いますが、以上のことは、私たちの社会と接点を持つ科学技術の未来を考える上でヒントになると、当企画主催者一同は考えています。
posted by stsfwgjp at 14:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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